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「うちをブラック企業と呼ばせない」居酒屋チェーン二代目社長の決意とは?

2016年12月2日

都内で複数の居酒屋チェーン店を経営する会社の二代目社長、Yさん。もともと大手メーカーに勤務していた彼ですが、創業者でもある先代社長の父親から懇願されて3年前に入社し、2年前の父親の急逝に伴い社長を引き継ぎました。

入社当時の会社の実態は「ブラック企業そのものだった」とYさんは振り返ります。

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ブラック企業そのものだった「オヤジの会社」

「お前に会社を任せたいから、入社して欲しい」と父親に懇願され取締役として入社したものの、飲食事業はまったく初めての経験。まずは現場を経験しろということで、ある都内店舗の店長代理として勤務を始めました。

彼は「店舗の状況を見て愕然とした」といいます。

立地もよく繁華街にあるそこそこ繁盛している店舗ではありましたが、店内は清潔が徹底されている状態とはいえず、従業員の身だしなみも乱れ、厨房やお手洗いは乱雑で清掃が行き届いてはいなかったと振り返ります。スタッフの挨拶もなく、出勤日に無断で休むアルバイトもいて、乱れた状況でした。

店舗を統括する営業担当役員からは毎日のように、「俺の言った通りにやれ!」、「いい食材を提供してるんだから、売上が上がらないのは、頑張ってないからだ!」、「お前より休めていない奴もいるんだから、週1休めてればマシだ、もっと必死に仕事しろ!」と怒号が飛び交う始末。

店長は、言われたことを必死にやるしかないとあきらめきっていたそうです。「もっとこうすれば店が良くなる!」という考えが自分にもあるが、提案したところで誰も聴く耳を持ってくれないと嘆いていたそうです。必死に頑張っても頑張っても、スタッフがなかなか採用できず、しかも採用してもすぐ辞めてしまう。自分は休まず頑張っているが、ぜんぜんよくならない状況なんです、この会社はブラック企業ですよ、と嘆いているだけでした。

Yさんは「なぜオヤジはこの現場の状況を改善しないんだ!」と何度も直訴しました。でも帰ってくる答えは、「担当役員からは、そんな報告は上がってきていない」、「お前は大手のメーカーにいたから、この業界のことがまだわかっていないんだ」、挙げ句の果てに「まずは、つべこべ言わず、業界の仕事を覚えろ!」といわれるだけ。まずは、仕事を覚えることに集中するしかありませんでした。

急遽社長登板、職場環境の改善を決意

そんな矢先、父親がくも膜下出血に倒れます。命に関わる状況になったため、Yさんが急遽社長を担うことになりました。Yさんは、オヤジはもう復帰できないかもしれないと腹をくくり、自分がこの会社と従業員を守るしかない、と経営改革に挑むことにしました。

このままではスタッフがどんどん辞めてしまい、サービスレベルが下がって客足も離れてしまうと危機感を抱いていたYさんは、自分がやるからにはこの会社をいい会社に作り変え、もう誰にもブラック企業とは呼ばせない、と決意しました。

Yさんは従業員満足度の向上をスローガンに掲げ、徹底的に職場の改善にとりくみました。職場環境の改善こそが顧客満足の向上につながり、売上・利益の拡大につながると信じていたからです。

2年経った今、Yさんの経営する店舗は、平均客単価が4,000円から6,000円まで向上させることに成功、離職率27%でいつもスタッフが入れ替わっていた状態が4%にまで改善しました。今では、予約なしではほぼ入ることができない、都内でも人気の居酒屋チェーンに成長しました。

職場の環境が改善され、スタッフが辞めなくなることで、低コストに美味しい料理を作るノウハウが厨房のメンバーで共有され、ホールスタッフがお客様から1品でも多くの注文をとるスキルを身につけることで、着実に店舗の売上が伸びていったと言います。

「うちをブラック企業と呼ばせない」居酒屋チェーン二代目社長の決意とは?

なぜ、ブラック企業はブラックなのか?

なぜブラック企業は、劣悪な労働条件や就業環境を従業員に強いてしまうのか。経営者が従業員に過重な負担を強い、長時間労働や過剰なノルマを常態化させてしまう理由は3つあります。

ブラック企業がブラックになる理由① 辞めたら次を採用すればいい

ブラック企業がはびこる一番の理由は、スタッフがどんどん辞めてしまっても、次を採用すれば済む、だからスタッフを使いつぶしてしまえばいい、という考え方です。

しかし、労働人口が減少に向かっているいまの日本の雇用環境では、このような考え方は通用しなくなりつつあります。辞めてしまったスタッフの欠員を補充するためのコストはどんどん上昇しています。スタッフが辞めないようにすることが、一番のコスト削減だと考えるべきです。

ブラック企業がブラックになる理由② 経営者の思考停止

もう一つの理由は、過重な負担を強い、長時間労働や過剰なノルマを設定しないと利益が出ないと経営者が思い込んでいることです。自社の商品やサービスの競争力を高めることで利益を増やすという経営の本質を放棄し、ひたすらコスト圧縮によってのみ利益を目指す考え方です。

どのな業界であっても、顧客に対して今までなかった新しい価値・独自性の高い商品を生み出すことができれば、価格リーダーシップを取ることができるはずです。おのずと利益は高まります。

ブラック企業がブラックになる理由③ ワンマン社長とイエスマン

幹部がワンマン社長とそれを取り巻くイエスマンばかりで占められてしまっていて、成功体験にとらわれ新しいやり方を取り入れられなくなってしまった状態です。

現場は「どうせ新しいことを提案しても、却下されるだけ」という心理が働き、新しい気づきや発見が取り入れられなくなってしまいます。さらには、何かを提案しても責任を取らされることを恐れ、誰も何も発言しない、という状態になります。悪い情報には目をつぶり、社長の気に入ってもらえそうな情報しか上がってきません。「顧客満足」「従業員満足」よりも、「社長満足度」だけが優先され、現場が急速に疲弊していきます。

「うちをブラック企業と呼ばせない」居酒屋チェーン二代目社長の決意とは?

ブラック企業と呼ばせない!日報のススメ

Yさんが社長に就任し、社内の日報は運用方法を大きく見直しました。

複数店を経営するためには、社長が1店舗ごとの現場の状況を毎日リアルで見ることが必要です。現場で起こる全社員の状況を把握し、全体を自分の目でとらえた上で対策を打っていくことが大事だと考えました。

そのために、それまでファックスで本部に送られていた店舗の日報を日報共有アプリgamba!に切り替え、店舗単位ではなくスタッフ一人一人が日報を書くようにしました。もともと、Yさんは大手メーカー自体にIT部門の経験があり、新しいITツールの導入には積極的でした。役員を含めた全員の日報を、社員全員が共有できる「ガラス張りの状況」を作り、Yさんは毎朝の一番の仕事として全スタッフの日報に目を通し、直接コミュニケーションをとることにしました。

最初、各店の店長や社員からは「また仕事が増える。。」という声が上がりました。しかし、アルバイトやパートのスタッフが「社長が自分の仕事を褒めてくれたよ!」と喜んでくれ、日報にあがってきた情報をもとに全社員が積極的に改善活動を行なっていったことで、徐々に成果がでるようになっていったといいます。

「全社改善勉強会」と称し、定休日にアルバイト、パートも含めた業務の改善活動の勉強会をはじめたそうです。勉強会の後は懇親会を開催することで、チームワークも徐々に良くなり、アルバイト、パートから「新メニュー案」や、「オペレーションの改善提案」がどんどん上がるようになったそうです。

企業の経営者は、辞めたら次を採用すればいいという考え方を捨て、経営者が自ら考え行動し、日報で現場と経営者がつながることでイエスマンが存在できない状態を作ることが必要です。

アルバイトもパートも社員も、全従業員にそれぞれの可能性があります。一人一人が本気になれば、会社の中から新しい発想はどんどん産まれ、それを形にすることで新しい価値はどんどん顧客に提供できます。社長、役員の仕事は、社員一人一人が、思ったことを発言できる場を作り、その発想や気づきを形にして、価値として顧客に提供できるよう支援をしてくことではないかと、Yさんは振り返ります。

新しい発想や、気づきは、特別な時に生まれるものではなく、日々の業務、お客様との一つ一つのやりとりの中にあります。だから、日報でその芽をしっかりみつけていくことが大事なのではないでしょうか。

「うちをブラック企業と呼ばせない」居酒屋チェーン二代目社長の決意のまとめ

都内で複数の居酒屋チェーン店を経営する会社の二代目社長、Yさんが社長を引き継いで以来取り組んだ経営改革。実際にはここには書ききれない、多くの苦難の道のりがありました。

経営者が自ら考え行動し、日報で現場と経営者がつながった状態を作ることに腐心することで、異業種から入社した二代目社長はみごと会社の立て直しに成功しました。

日報共有アプリgamba!は、経営者だけでなく、全社員が日報を共有できる仕組みであり、欲しい情報が上がりやすくなるテンプレート機能や、日報を誰が読んだかチェックができる足跡機能、また上司がメンバーの日報にコメントをしているかチェックができる機能等、ホワイト企業への変革に必要な機能が満載です。

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