日報を出さない!困った部下の育成方法のポイントとは?

最終更新日:2022年7月15日

 

日報の管理は、管理職として欠かせない業務の一つです。

しかし部下を複数人管理するとなると、全員が日報を提出するとは限りません。
では日報を出さない部下に、日報を出すよう指導することがなぜ大切なのでしょうか。
またなぜそれがなぜそれが難しいのでしょうか。

今回はその理由について言及すると共に、日報を出さない困った部下の育成方法のポイントについて紹介します。

なぜ日報を出さないのか?

日報を出さない部下には、理由があります。まず日報を出さない部下の心理を知っておきましょう。

書くのに時間がかかって面倒

日報を出さない理由の一つに、日報を書くのに時間がかかって面倒という点が挙げられます。確かに”めんどくさい”んです、日報って。実際、日報と検索すると、関連ワードに「意味ない」「めんどくさい」「書くことない」というネガティブなワードが並んでいます。

多くの場合、日報は仕事終わりに書きます。しかし、一日の仕事が終わったあとは疲れているため、書くことが面倒になってしまいます。特に紙の日報の場合手書きで書くことが手間に感じられます

また、エクセルだと外出先で開くことができないケースもあり、日報を書くためにオフィスに戻ってくるなど、時間も手間も必要以上にかかってしまいます。この無駄の多さも、日報が面倒に感じる理由です。

何を書けばいいかわからない

文章を書くことに苦手意識がある方は意外と多いのではないでしょうか。今日やったことくらいはスラスラ書けるけれど、行動を振り返って「良かった点、悪かった点」や「自分の考え」を整理して文字に起こすのは得手不得手があるもの。

書くことに苦手意識があると、その日のタスクやスケジュールを羅列しただけで終わらせたり、「今日は〇〇しました。」というまるで小学生のような日報になってしまいます。そのような日報であれば、意味がないと思ってしまうのは当然です。

またベテランであっても、毎日書く日報はネタがなくなってしまいがちです。だからといって、「ダメじゃないか!」と叱りつけるだけでは変わりません。何故なら、日報の提出がストレスになれば、部下にとって日報は”ただ出すだけのもの”となり、内容が伴わない可能性もあるからです。

誰からもレスポンスがない

日報を書く気が失せるもうひとつの原因は、上司からのレスポンスがないことです。

上司:「みんな、日報に現場の気づきをどんどんあげてくれ!」
部下:「業務改善のためにこんな工夫をしました!」
上司:(スルー)

部下:「今日は〇〇がうまくいきませんでした…」
上司:(華麗にスルー)

もしこんな状態であれば、「ちゃんと読んでいる?もう書かなくていいよね?」と、日報が意味ないと思うのは当たり前です。この「意味ないよね」という感情は、次第に上司への不信感にも繋がります。

行動を管理されたくない

私の経験上、「上司に行動を管理されたくない」と感じる人の多くは、頭がキレて仕事がデキるタイプです。上司より稼ぐ能力があるので、「数字出してるのに、なんでいちいち日報書かなきゃいけないんだよ」と、完全に上司を馬鹿にしています。そんな部下を持つ上司もまた、やりづらさを感じていることでしょう。

これについては日報そのものというより、上司と部下で信頼関係が築けていないことが問題です。もしあなたが上司であれば、まずは1対1で本音を言い合える場を作ることから始めてください。

逆にあなたが部下という立場であれば、好き嫌いという感情をいったん横に置きましょう。たとえどんなに仕事ができなくて使えない上司であっても、悔しいですが会社から評価されるという能力に長けていることは認めざるを得ません。

日報を出してこない画像

“めんどくさい”から開放される日報の書き方

①項目を決める。でも、ときには柔軟に。

項目が多いと、書き手も読み手も時間を取られてしまいます。端的にするために、PDCAサイクルを意識した「PDCA+P」の5つを基本の項目として書きましょう。

 

抑えておきたい日報の項目

  • 今日の目標(Plan なるべく定量的に)
  • 今日やったこと (Do)
  • うまくいったこと (Check)
  • 課題と改善策 (Action)
  • 明日の目標 (Plan)

PDCAサイクルについては下記の記事で詳しく説明しています。
【これを欠かすと失敗する】PDCAの基本から具体的事例までわかりやすく解説【実践シートつき】

 

「日報を出してよかった」を実感させる画像

②日報にきちんとレスポンスする

部下の気持ちを読み取る

日報を出さない部下への指導として必要なことは、日報にきちんとレスポンスすることです。自分の作成した日報がしっかり読まれていないと感じると、部下は日報を出す意味を感じなくなります。そのため日報にきちんとレスポンスすることは欠かせません。

また日報は数字の報告だけでなく、相談が記載されていることがあります。それを見落とすと、たとえ一度や二度でも部下は日報がきちんと読まれていないと感じます。

相談へのレスポンスがなく日報を放置する上司にはだれも報告したいとは思いません。どうせ読んでないのだからと、部下は何も書かなくなっていきます。

もちろん複数の部下を抱える場合、一人ひとりの相談に答える時間を捻出するのは難しいかもしれません。しかし、例えばメールで何かしらのアドバイスを送るなど、相談を受け止めた姿勢を見せることが大切です。

 

「日報を出してよかった」を実感させる

日報を出さない部下への指導方法として、肯定的なフィードバックを与えることも効果的です。日報を提出してよかったと思わせるレスポンスをしていきましょう。改善すべきところを注意したくなるかもしれませんが、まずは褒めることが大切です。どんな些細なことでも構いません。

理想的なフィードバックは、まず褒めて、それから改善のアドバイスをすることです。それが適切であれば部下の行動が変化します。日報を出したことで仕事がはかどるようになった、目標を達成できるようになった、などポジティブな実感をもたせることが大切です。

 

日報が書きやすくなるポイント

うまくいったことに着目して書く

まずは「うまくいったこと」に着目しましょう。なぜうまくいったのか?成功要因を振り返ります。(これをすると自分のテンションが上がります。)たまたまうまくいったのかもしれませんが、それを積み上げていくうちに、共通する成功要因に気づきます。それを繰り返せば、仕事のスキルは必ずアップします。

とはいえ、毎日毎日「うまくいったこと」や、「課題・改善策」があるとは限りません。「今日は1日ミーティングだったなあ」という日もあるでしょう。そういう日は、代わりに「気づき」や「学び」を書きましょう。項目に縛られ過ぎないことも、日報を書くモチベーションを保つために大切なことです。

「明日の目標」は、書いて宣言することに意味があります。なぜなら、「言ったからにはやらないと!」と行動せざるを得なくなるからです。自分を奮い立たせるために書くのです。(そうすれば必然的にサボれなくなります…)

 

小分けにして書く

いつ日報を書いていますか?おそらく仕事終わりに書いている人が多いのではないでしょうか。でも、この方法はあまりオススメできません。

なぜなら、人間は忘れっぽい生き物です。1日の出来事を詳細に思い出すのは時間がかかります。時には日報を書くことよりも早く帰りたい気持ちが勝り、「まあこんなもんでいいか」と適当に仕上げてしまうこともあるのではないでしょうか。(もしかして私だけ?)

そこでおすすめしたいのが、「小分けにして書く方法」です。例えば、商談終わりに気づいたことを移動中にささっと書いたり、課題に感じたこと、思いついたアイディアなどを都度書いていきます

一つ一つの気づきが、実は大きな改善のヒントであったりするので、都度書き溜めておくほうが忘れません。そうすれば、仕事終わりに少し書き加えるだけですぐに提出できるので、日報を書くのがラクになります。私はこの方法で日報への抵抗感が減りました。

日報が楽しくなる運用のヒント

「自分のために書く」ことに加えて、「楽しむ」ことも大事ですよね。
では、どうしたら日報が楽しくなるのでしょうか?

①日報をチームや組織で共有する

日報を上司と部下の2者間だけのやり取りではなく、チームや組織のみんなで共有しましょう。苦手な上司と交換日記のようなやり取りよりはるかに良いですし、ノウハウやナレッジも浸透しやすくなります。ぜひみんなの日報を読んでみてください。そうすれば、それぞれの仕事に向き合う姿勢や考え方も見えてくるのではないでしょうか。

また、日報を共有する際に大事なことは「心理的安全性の確保」です。ポジティブな意見しか書いてはいけない空気を作ってしまうと、ミスやトラブルを隠してしまったり、アイディアを思いついても言い出しづらくなってしまいます。恥ずかしがらずに分からないことを聞くことができる場であれば、メンバーの成長にも繋がります。多様な意見を出しやすい場にしましょう。

 

②日報にレスポンスができる仕組みにする

チームや組織全体で成果をあげるには、レスポンスが重要です。例えば、仕事に行き詰まっているときに、上司や先輩から自分では思いつかないようなアドバイスをもらえれば学びになりますし、励ましの言葉をもらえたら嬉しいですよね。

特に若手のメンバーであれば、「誰かに見てもらえている」と感じることができれば、モチベーションもアップします。ぜひ、レスポンスすることで「君のことをちゃんと見てるよ!」という意思を伝えましょう。

これを紙で行うのは難しいので、日報アプリをはじめとするクラウドツールの利用がいいかもしれません。スマホやタブレットでいつどこでもアクセスできるため、外出先からでも日報の作成やレスポンスが可能になります。

参考:SNS×日報で社内コミュニケーションが活性化するgamba!

まとめ

「日報は面倒」と思われがちですが、書き方や捉え方、運用次第で価値のあるものへと変えることができます。脱”めんどくさい日報”を目指すために、少しでも参考になれば幸いです。

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