OODA(ウーダ)ループとは?PDCAサイクルとの違いから具体例まで紹介
いま注目されているOODA(ウーダ)ループをご存知でしょうか。
状況に合わせて柔軟に戦略を変えていく手法として、PDCAサイクルに代わる、もしくは補強するものとして取り入れられています。
この記事では、OODAループの概要やメリット、PDCAサイクルとの違いをご紹介します。
組織でOODAループを実行するには情報共有が大切。
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目次
OODAとは
OODA(ウーダ)は、下記の項目の頭文字を取ったものです。
①Observe(情報収集):固定概念に捉われず、観点を変えながらできるだけ多くの情報を収集する
②Orient(方向性の判断):得た情報から状況を判断し、方向づける
③Decide(具体的施策の決定):具体的な行動プランを策定。経験や知識のインプットで直観力が養われる
④Act(行動):状況次第で柔軟に行動を変える。一度決めた行動に縛られないようにする
OODAの発祥
アメリカ空軍の軍事戦略として生まれたもので、「指示を待つことなく、現場の兵士が自ら迅速に判断し対応するための思考法」として考案されました。
OODAが注目されている理由
OODAは戦場という「分、秒単位で状況が変わる現場」において考案されたものですが、昨今のビジネス環境も「VUCAの時代」と形容されるように、状況の変化が絶えません。
こうした共通点からビジネスにおいてもその有効性が注目されるようになりました。
VUCA時代とは、不確実性(Volatility)、複雑性(Complexity)、不確定性(Uncertainty)、曖昧性(Ambiguity)の4つの特徴を持ち、ビジネスや社会が予測不能で不安定な時代を表しています。企業は敏捷性を持ち、変化に対応することが求められています。
OODAループとは
OODAのプロセスを繰り返すことをOODAループと呼びます。
状況に合わせた行動を繰り返すことで、より好ましい状況に近づいていきます。
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PDCAは古いと言われる理由
PDCAの特徴として、実行に時間を要する点が挙げられます。PDCAサイクルを成功させるには、事前準備と計画を綿密にしてから実行に移すのが秘訣です。着実な改善が期待できますが、効果が出るまでには時間がかかることは否めないでしょう。
そのため、今日のように「マーケットや顧客ニーズの変化が激しい環境では、臨機応変に対応できないのでは?」という意見があるのです。
OODAとPDCAの違い
この違いを理解して使い分けることが理想です。
改善活動に有効なPDCAサイクル
PDCAは、計画→実施→評価→改善のプロセスを繰り返すことで問題解決に取り組む方法です。
具体的には、問題を分析して計画を立て、計画を実施し、結果を評価して改善を行います。
PDCAについては下記の記事でまとめています。
【これを欠かすと失敗する】PDCAの基本から具体的事例までわかりやすく解説【実践シートつき】
環境変化に強いOODAループ
OODAループは現場起点の改善手法です。状況に合わせて行動を決定します。
現場のメンバーが状況に応じた動きをするので、従来の”上長に判断を委ねるマネジメント”よりも、行動スピードが格段に上がります。
OODAループではまず情報収集(Observe)として、いま置かれている状況を知ることから始めます。
計画ではなく、状況ありきです。
見通しのつかない現代においては、目の前の状況こそ唯一のヒント、という捉え方もできるでしょう。
OODAループは環境変化に柔軟に対応する新たなマネジメント手法と言われています。
OODAループを繰り返して都度調整できるようになれば、素早く適切な決断を下す能力が高まり、臨機応変な対応ができます。結果、現場の問題解決能力が向上するという仕組みです。
ただし、課題に直面した際の実行までを最速に回すことを目的としています。
改善は第一目的ではありません。
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OODAのメリット
現場の意見を汲み取りやすく、発想に柔軟性が生まれる
顧客の声や現場の問題点が共有されやすく、柔軟な事業運営が可能になります。
上司や上層部の計画立案を待ってから行動することはなくなるため、状況に合わせた臨機応変な対応がしやすいでしょう。
自ら考え、行動する社員が育ちやすい
現場に裁量権を与えることで、自らが考え、行動できるようになります。
どうすればより良くなるのか、それぞれのメンバーが考えることで、能力アップにもつながります。
社員のモチベーションを維持しやすい
自ら考え、行動することで、仕事に対する責任や誇りを持ちやすくなります。
OODAループは「状況を見てとりあえずやってみよう」を促してくれるフレームワークです。
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OODAループのデメリット
単純化されたモデル
OODAループはあくまで一般的な意思決定プロセスを表しており、すべての状況に適用できるわけではありません。現実の問題は複雑であり、このモデルが単純すぎる場合があります。
柔軟性の欠如がしている
OODAループはループの構造が固定されているため、状況によっては柔軟に対応できないことがあります。状況が急激に変化する場合や、複数の判断基準が必要な場合などには、効果的でないことがあります。
コミュニケーション不足になりやすい
OODAループは個人やチームの意思決定に焦点を当てているため、他の関係者とのコミュニケーションが疎かになりがちです。これにより、意思決定が効果的でなくなる場合があります。
短期的な視点
OODAループは迅速な意思決定を重視しているため、短期的な視点が優先されがちです。
これにより、長期的な視点や戦略を考慮しない判断がなされることがあります。
OODAの実行する手順
①Observe(情報収集)
現在の状況がどうなっているのか、情報収集します。
②Orient(方向性の判断)
Observe(情報収集)において得られた情報をもとに、今後の方針を決定します。
③Decide(具体的施策の決定)
今後の方針を決めた上で、具体的な行動の計画を決定します。
状況に対して即した行動になっているか、意味のある行動になっているのか、確認することが大事です。
④Act(行動)
これまでの工程での決定内容をもとに、実行します。
OODAループが用いられる環境において、OODAを1度実行しただけで望ましい結果が得られることはあまりありません。
行動した結果をもとに、次のOODAを実行することが大事です。
OODAの繰り返し(OODAループ)を何度も経て、目指す方向に少しずつ近づけていきます。
OODAループの具体例
営業部門における具体例
【Observe(観察)】
- 過去3か月間の営業成績を集計し、顧客の注文数や売上高などの傾向を観察しました。
- 同業他社のWebサイトやSNSなどから情報を収集し、競合環境の動向を把握しました。
- 既存の顧客からのフィードバックを定期的に収集し、商品やサービスに対する評価や不満点などを探しました。
- 営業担当者が取得した情報を整理し、データ分析を行い、市場動向や課題点を把握しました。
【Orient(指向性)】
- 前年度の売上高を超える目標に向け、営業戦略を見直すことにしました。
- 競合環境の変化に対応するため、新しい商品やサービスの開発に取り組むことに決定しました。
- 営業担当者のスキルアップに取り組むことにし、セールストレーニングやコミュニケーションスキルの向上を目指すことに決定しました。
- セールスファネルの状況を確認し、営業プロセスの改善に取り組むことに決定しました。
【Decide(決定)】
- セールスファネルの改善に向け、WebサイトやSNSの改善、セールスプロセスの見直し、顧客リストの洗い出しなどを決定しました。
- 営業担当者のスキルアップに向け、社内トレーナーによる研修や外部講師の講演会に参加することを決定しました。
- 営業活動の情報共有に向け、日報システムの導入を決定しました。
【Act(行動)】
- 研究開発チームが新しい商品やサービスの開発に取り組み、営業担当者が新しい商品やサービスを顧客に提案しました。
- 社内トレーナーによる研修や外部講師の講演会に参加し、営業担当者のスキルアップを図りました。
- 日報システムを導入し、営業活動の情報共有をスムーズにし、顧客情報の管理を効率化しました。
製造部門における具体例
【Observe(観察)】
- 製造ライン全体の監視を行い、各工程の進捗状況を把握。
- 品質管理チームが定期的に製品の品質チェックを行い、不良品の割合や原因を特定。
- 生産効率を測定するため、各工程での生産量や作業時間を記録。
- 機械の稼働状況を確認し、異常音や振動がないかチェック。
- 労働者の働きぶりを観察し、労働者間の協力やコミュニケーションが円滑に行われているか確認。
【Orient(指向性)】
- 観察したデータを分析し、問題点や改善点を特定。
- 例えば、生産効率の低下や品質問題が発生している場合、その原因を突き止めるための分析を行う。
- 各工程のボトルネックを特定し、効率化が可能な部分を見つけ出す。
【Decide(決定)】
- 機械の故障が原因であれば、修理や交換を決定。
- 作業工程に無駄が多い場合は、工程の見直しや改善策を検討。
- 労働者のスキル不足や配置の問題があれば、教育プログラムの充実や配置の変更を検討。
- 原材料の在庫が不足している場合は、発注のタイミングや数量を見直す。
【Act(行動)】
- 決定した対策や改善策を具体的なアクションプランに落とし込み、実行。
- 改善策の効果を検証するため、実施後の生産効率や品質を再び観察・分析。
- 効果が確認できた場合は、次の問題や改善点に取り組むために、再度観察ステップ
営業部門・製造部門以外にも、市場動向の分析、競合情報の収集、組織の改善、およびリスクマネジメントなどが挙げられます。また、チームビルディングやコミュニケーションの改善にも役立てることができます。
OODAをうまく機能させる3つのポイント
ゴールを共有する
OODAループを実践した末に何を目指すのか、ゴールをメンバー間で共有しましょう。
なるべく具体的なゴールを共有することが大切です。
上司と部下の認識が同じであれば、ただ指示通りに動くのではなく、先を見据えた行動ができるようになります。
重要なことは計画に従うことではありません。OODAのプロセスがゴールの到達に結びついているかどうかです。
検討に時間をかけすぎない
たとえうまくいかなかったとしても、次のOODAループを回すための情報と捉えて、2回転目を回しましょう。
「考えなしに動くことにならないか?」という心配があるかもしれません。でも、行動結果を踏まえて見直すことができていれば大丈夫です。情報収集、状況判断は慎重に行なう必要がありますが、1回目と同じ結果にならないように検討することが大事です。
経験や情報が蓄積されると、自然と精度が高くなっていきます。
仮説をもとにやってみて確信がもてるようになると、状況を見てすぐに何をしたらいいか決められるようになるでしょう。
情報共有の徹底
OODAで一番重要な工程は、最初の情報収集(Observe)です。市場や業界、顧客、競合他社、取引先企業の動向といった、できるだけ多くの生情報に触れるには、
個々が収集した情報をリアルタイムに共有できる場所(ツール)を用意しましょう。
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情報収集や経験の蓄積には「日報」が効果的
OODAループはメンバー間で情報や判断基準を共有し、コミュニケーションを円滑に行うことが求められます。
場所としておすすめなのが、日報アプリです。
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