改善提案制度とは?メリットや活性化させるためのコツを徹底解説!【成功事例付き】

「未来工業株式会社」という会社をご存知でしょうか?
改善提案制度をうまく取り入れ、従業員のモチベーション向上に成功しています。
この取り組みに追随される企業も増えてきていますが、なかなかうまくいかないことも多い状況。
なぜ、未来工業は40年間も改善提案制度が続いているのか?成功の秘訣をご紹介します。
ぜひ、貴社で改善提案制度を取り入れるヒントにしてみてください。
提案制度とは?
企業の継続的な成長と発展のために欠かせない「改善提案制度」。この制度は、従業員一人ひとりが業務上の改善点や新しいアイデアを提案し、それを組織的に収集・評価・実施していく仕組みです。
単なる提案箱とは異なり、体系的な制度として運用することで、従業員の主体的な参画意識を高め、職場の活性化や業務効率の向上、さらには製品・サービスの品質改善にもつながります。
また、従業員からのボトムアップによる改善は、現場の実態に即した具体的な解決策となることが多く、即効性の高い改善につながるという特徴があります。
改善提案制度の種類
職場における改善提案制度は、企業の規模や業態によって様々な形態があります。以下では、代表的な提案制度の種類をご紹介します。
個人提案制度
日常業務の中で気づいた改善点や新しいアイデアを、個人が自由に提案できる制度です。未来工業のような報奨金制度を設けている企業も多く、従業員の自主性を重視した取り組みとして定着しています。提案のハードルを下げることで、小さな改善の積み重ねを実現し、結果として大きな成果につなげることができます。
チーム提案制度
部署やプロジェクトチーム単位で改善提案を行う制度です。チームメンバーで議論を重ねることで、より実現性の高い提案が期待できます。また、チーム内でのコミュニケーションが活発になり、組織の活性化にも効果があります。複数の視点から検討された提案は、実施段階でのリスクも低減できる利点があります。
テーマ別提案制度
会社が特定のテーマを設定し、そのテーマに沿った改善提案を募集する制度です。例えば「コスト削減」「品質向上」「環境対策」など、企業が直面している課題に焦点を当てた提案を集中的に募ることができます。目的が明確なため、具体的な成果が出やすいという特徴があります。
定期提案制度
月次や四半期など、定期的なタイミングで改善提案を募集する制度です。提案する側も評価する側も計画的に取り組むことができ、継続的な改善活動として定着しやすい特徴があります。定期的な振り返りの機会となり、PDCAサイクルを回しやすい利点もあります。
即時提案制度
気づいた時点で即座に提案できる制度です。特に安全性や品質に関わる重要な気づきを、タイムリーに共有・対応することができます。現場での小さな気づきを見逃さず、迅速な改善につなげられる点が特徴です。スマートフォンやタブレットを活用した提案システムの導入で、より即時性の高い運用が可能です。
【成功事例】未来工業の改善提案制度とは
電気設備資材、給排水設備およびガス設備資材の製造販売等を行う未来工業株式会社。設立以来、50年以上黒字経営を続けています。次々と新製品を開発する事業スタイルを支える理由が、「改善提案制度」にありました。
1アイデア500円で積極的に改善提案を募る
会社が生き残るために創業者が目指したのは、「常に新しいことをする」。他社と異なることをすることで、”新しい価値“を見い出そうとしたのです。
そんな社員に考える習慣を身に付けてほしいとの考えから、1977年に改善提案制度を導入しました。「提案を1つするごとに500円支給される」というユニークな制度です。
どんな提案でもOK!中身は問わない
制度を支えているのが、会社の「ノーとは言わない姿勢」です。
未来工業は、開発社員の裁量を大きくすることで、年間の新商品開発件数は300~500件にのぼっています。そのため、開発したいと考えたアイデアに対して、管理職がノーということはありません。社員が専門性を活かして提案をしていくのが日常の光景です。
どんな些細な提案でも500円貰えるので、常に「何か改善できるところはないか」と疑問を持ちながら仕事をします。
社員からは
- アイデアを出すことで視野が広がった
- 仕事に対する意識や探究心が高まった
- 言語化力を磨く場となっている
という声が寄せられています。
こんな気前の良さなら、むしろヤル気にならないほうが難しいもの。現在は、社員数900人に対して、年間で計5000件の提案があります。
さらにあった!太っ腹な報奨金
- 毎月1件ずつ10カ月連続で出せば、5000円相当の賞品
- 提案が採用されれば、最高3万円の報奨金
- 年間200件の提案を出せば、15万円の報奨金
意匠登録の件数は大手に並ぶ
太っ腹なシステムに思えますが、最優秀賞に輝いた提案では約630万円の利益を生み出しました。
実際に、未来工業は数々の特許・実用新案・意匠を取得しています。2012年には大手企業に並ぶ13位という結果を残しました。”常に考える”ことで様々なアイディア商品を生み出しているのです。
これも、既存の商品やルーティンワークに対して疑問を持つことから得られた成果だと言えるでしょう。社員が自ら考え、工夫できるようになり、その姿勢が新商品の開発にも役立っているのです。
なぜ、未来工業はここまで太っ腹の改善提案制度を設けているのでしょうか?

改善提案制度を盛り上げるコツ
最初は『質より量』を優先する
「考える」ことで、細部に目配りする力がつく
改善提案の目的は、「社員に考えさせる」ことにあります。
提案をすることを前提に日々の業務に取り組むことで、「改善を考える」習慣が身につきます。そして段々との業務の細部に目配りする力もついてきます。さらに言語化することが、スキルアップに繋がると考えたのです。
最初からいい提案は出ない
改善提案制度を導入しても、すぐに画期的な案が出てくることはありません。100件につき1件いい提案が出たらよしと考えることが大切です。まずは「質より量」で進めましょう。
社員が”嬉しい”と感じる仕組みを作る
未来工業では、改善が実施された箇所に、提案者の名前と内容を記載したシールが貼られています。そうやって”見せる”ことで、「自分の提案が会社に貢献した」という満足度向上につながっています。

改善提案を出やすい組織とは?
ボトムアップ型組織
いくら制度を取り入れても、モノを言えない雰囲気であれば、だれも改善提案を言い出せません。結局は絵に描いた餅となってしまいます。制度をうまく機能させるためには、管理職と社員との間に壁がない関係であることが大前提です。
未来工業は、トップダウンからボトムアップ型へ、組織が変化した軌跡でもあります。そして、社員に「小さなことでも気になることがあれば相談するように。」と伝えています。管理職がしっかりとフラットな組織づくりに努めているのです。
ライフワークバランスの整備
未来工業は、年間休日数が140日、定年70歳などと働きやすい環境整備に徹しています。仕事のオンオフをしっかりと切り替えることができるので、出勤した際の業務効率化にも繋がるのです。
ライフワークバランスが整えば、社員にも会社への感謝の気持ちが芽生え、仕事へのやる気が高まります。そのため、パフォーマンスを高めるための環境づくりが大切です。

まとめ
社員の不満を解消しつつ、自由に考える環境を作ることで、従業員満足度が上がります。余裕ができると疑問が提案に変わり、その提案で新しい商品が開発されたり、業務の効率化につながります。改善提案制度を導入して、会社の利益と社員の幸せを目指しましょう。
改善提案制度を習慣化できる日報アプリとは?

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