【6ステップで分かる!】SMARTの法則とは?

皆さんは「良い目標」の立て方をご存知ですか?
ビジネスマンとして誰しもが会社や上司から目標設定を命じられたことがあると思います。
良い目標とは、目標にどれだけ進んでいるのか分かりやすく、達成したのかも明確になっているものです。この「良い目標の立て方」をまとめたのが今回ご紹介する「SMARTの法則」です。
SMARTの法則を踏まえて目標を設定すると、客観的に成功・失敗が分かるようになるので、外部からの応援も得られやすく、目標達成にはあとどのくらいが頑張れば良いのか、が分かるようになるので、自分自身のモチベーションも大幅に向上にします。
一緒にSMARTの法則を学び、目標設定のスキルを磨いていきましょう!
目次
SMARTの法則とは
SMARTの法則とは、目標を設定する際の基準を5つの要素で定めたルールのことを指します。
これらの要素は次の通りです。:
- Specific:目標が具体的である。
- Measurable:目標の進捗や成功・失敗を測定できる。
- Achievable:実現可能な目標である。
- Relevant:自分自身や、組織と関連した目標である。
- Time-bound:期限の定められた目標である。
これらを頭文字を取ってSMARTと呼ばれます。これらSMARTの要素を踏まえた目標は、達成の確率を大幅に高めて、成功のきっかけになると言われています。
Specific:具体的であること
目標達成の状態が誰でも同じように理解できることを指します。例えば、「もっと健康になりたい」という目標ではあまりにも抽象的です。ここで、「毎日30分ウォーキングをする」という具体的な目標に変えることで、何をすべきか明確になります。
例:
具体的ではない目標: 「もっと売上を上げる」
具体的な目標: 「次の四半期には現在の売上から10%増加させる」
Measurable:測定可能であること
目標が測定可能で、具体的な数字で表現されていることです。進捗状況が明確になり、達成まであとどのくらい頑張れば良いかわかる状態です。例えば、体重を減らすことが目標であれば、「1ヶ月で2キロ減らす」というように数値化すると、進捗を明確に把握することができます。
例:
測定困難な目標: 「より良いサービスを提供する」
測定可能な目標: 「カスタマーサポートの応答時間を24時間以内に短縮する」
Achievable:達成可能であること
設定された目標が現実的(=達成可能)であることです。そんなの当たり前じゃないか!と感じるかもしれませんが、期限を考慮するとあまりに高すぎる目標や、そもそも曖昧な目標であることは、ありがちなミスです。
達成不可能な目標: 「今月末までに新規顧客を1000人獲得する」(現在の平均が月に50人の場合)
達成可能な目標: 「今月末までに新規顧客を70人獲得する」
Relevant:自身に関連のある目標であること
自分自身に関連のある目標であることが必要です。直接的には関連していなくても、この目標を達成することで、自身にどんな影響があるのか意識しておくことが大事です。モチベーションを維持するためにも目標を自分ごととして捉えられるようにしましょう。
関連性の低い目標: 「IT部門のスタッフとして、マーケティング戦略を3つ提案する」
関連性の高い目標: 「IT部門のスタッフとして、システムのダウンタイムを次の四半期には5%減少させる」
Time-boud:期限が明確であること
期限が設定されている状態です。闇雲に理想を掲げていても期限の設定されていない目標は「いつまでにどのくらい頑張れば良いのか」が不明確であるために、いつまでも時間をかけてしまいがちな傾向にあります。期限を設けることで、目標に対する責任感や緊急性を感じやすくなります。
期限のない目標: 「新しいマーケティング戦略を考える」
期限を持つ目標: 「2週間後までに新しいマーケティング戦略を3つ考案し、チームにプレゼンテーションする」
SMARTの法則の活用方法

SMARTの法則の具体例:個人的な目標
健康・フィットネスに関する目標
- Specific: 週に3回ジムに通う
- Measurable: 1回の訪問で最低1時間のエクササイズを行う
- Achievable: 仕事の後、19:00から20:00までの時間を利用する
- Relevant: 健康を維持し、体調を良くするため
- Time-bound: 3ヶ月後までに継続する
学習・スキルアップに関する目標
- Specific: 英語のスキルを向上させる
- Measurable: TOEICのスコアで650点以上を取得する
- Achievable: 週に2回、各2時間のオンライン英語レッスンを受ける
- Relevant: 海外のクライアントとのコミュニケーションをスムーズにするため
- Time-bound: 1年後の次回のTOEIC試験まで
趣味・レクリエーションに関する目標
- Specific: 写真撮影のスキルを向上させる
- Measurable: 月に1回のペースで写真展に参加する
- Achievable: 週末を利用して撮影技術の勉強や実践を行う
- Relevant: 趣味としての写真の楽しみを深め、他者と共有するため
- Time-bound: 6ヶ月後の地元の写真展に参加する
SMART法則の具体例:ビジネスにおける目標
売上・利益に関する目標
- Specific: 第2四半期の売上を増加させる
- Measurable: 前四半期比で10%の売上増
- Achievable: 新製品のローンチやマーケティングキャンペーンを強化する
- Relevant: 企業の成長と収益性の向上のため
- Time-bound: 第2四半期の終了まで
顧客満足度に関する目標
- Specific: 顧客の満足度を向上させる
- Measurable: 顧客満足度調査でのスコアを90%以上にする
- Achievable: アフターサービスの強化や製品の品質向上策を実施する
- Relevant: 顧客のロイヤルティを高め、リピート購入を促進するため
- Time-bound: 次回の半年毎の顧客満足度調査まで
社員のスキルアップ・教育に関する目標
- Specific: 社員のデジタルスキルを向上させる
- Measurable: 全社員の75%がデジタルトレーニングプログラムを完了する
- Achievable: オンラインでの研修プログラムを提供する
- Relevant: デジタル変革の波に対応し、業務効率を向上させるため
- Time-bound: 1年後までに
SMARTの法則とKPIの関係性

目標設定とパフォーマンス評価には密接な関係があります。その中でも、SMARTの法則とKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)は、お互いを補完する形で機能します。
SMARTの法則は、個々の目標が具体的で測定可能、達成可能、関連性があり、時間制限があることを保証します。これにより、目標は明確で理解しやすくなり、その達成に向けた行動を計画しやすくなります。
一方、KPIは、業績や成果を定量的に評価するための指標です。これらの指標は、組織の戦略的目標を達成するための重要な要素を反映しています。
ここで、SMARTの法則とKPIの関係性が明らかになります。SMARTな目標設定があると、それに基づいたKPIを設定することが可能になります。具体的な目標があるため、その達成度を測定する指標(KPI)を明確に設定できます。また、KPIは目標達成の進行度を定期的にチェックし、必要に応じて行動を修正するための有効なツールとなります。
つまり、SMARTの法則を用いて明確で達成可能な目標を設定し、その達成度をKPIで測定することで、組織や個人のパフォーマンスの向上を実現することが可能になります。
SMARTの法則の活用事例と発展型
SMARTの法則の事例
具体的な事例を通じてSMARTの法則の活用方法を見てみましょう。ある企業では、「売上を増やす」という大きな目標をSMARTの法則に則って「次の四半期までに、新商品の売上を20%増加させる」という目標に変換しました。これにより、具体的な行動計画を立てやすくなり、目標達成に向けて全社員が一丸となって取り組むことができました。
SMARTの法則を活用した型
SMARTの法則を活用することで、目標設定が一層具体的になります。しかし、それだけではなく、SMARTの法則は目標設定だけでなく、プロジェクトの進行や個人のパフォーマンス評価など、様々な場面で活用することができます。
SMARTの法則の発展型の例
SMARTの法則をさらに発展させたものとしては、SMARTERの法則があります。これはSMARTの法則に加えて、「評価(Evaluate)」「再評価(Re-evaluate)」の2つの要素を加えたものです。これにより、目標達成の途中で適切な評価と調整を行うことが可能になります。
SMARTの法則の発展と他の目標設定法との比較
SMARTの法則を活用できる目標管理フレームワーク
SMARTの法則はその手法がシンプルであるため、様々な目標管理フレームワークに活用することができます。例えば、OKR(Objectives and Key Results)やMBO(Management by Objectives)などの手法でも、SMARTの法則はその基礎として活用されています。
「時代遅れ」と言われるSMARTを応用した新たな目標設定法
一部で「時代遅れ」と言われることもあるSMARTの法則ですが、それはそのままの形で使用すると、柔軟性に欠けるという批判があるからです。しかし、その基本的な考え方は有効であり、新たな目標設定法への応用も可能です。例えば、FAST(Frequently discussed, Ambitious, Specific, Transparent)の法則は、SMARTの法則をベースにしつつも、目標設定の頻度や透明性を重視した新たなアプローチを提供しています。
SMARTの法則とFASTの法則との違い
SMARTの法則とFASTの法則の最大の違いは、その目標設定の頻度と透明性にあります。FASTの法則は、目標設定を定期的に見直し、そのプロセスを全員が共有することを重視しています。これにより、組織内のコミュニケーションが活性化し、目標達成への意識が高まります。
まとめ
SMARTの法則は、具体的で明確な目標設定のための効果的なツールです。その5つの要素(具体的、測定可能、達成可能、関連性のある、時間制限のある)を考慮に入れて目標を設定することで、目標達成の確率を大幅に高めることができます。
また、SMARTの法則はその手法がシンプルであるため、さまざまな状況や目標に対して適応できます。特に、個人の目標設定だけでなく、組織全体の目標設定や、プロジェクトの目標設定においてもその効果を発揮します。
さらに、SMARTの法則をさらに発展させたSMARTERの法則や、新たな目標設定法であるFASTの法則なども活用することで、目標達成の途中で適切な評価と調整を行うことが可能になります。
目標設定は、自身の夢を現実にするための最初のステップです。SMARTの法則を活用して、明確で達成可能な目標を設定し、その達成に向けて積極的に行動しましょう。

2012年より、日報アプリ「gamba!(ガンバ)」を提供しています。チームの結束力を高め、より良い成果を出すための環境を提供することで、多くの企業の変革を支援しています。10年以上のサービス提供、サポートの実績を誇ります。社内コミュニケーションや日報に関してはお任せください。運営ポリシー