KPI管理の目的と活用法とは?|おすすめKPI管理ツールも紹介
KPI管理は、あらゆる業界で必要とされている評価指標です。
これを理解しておくと、どの業界においてもマネージメント業務に活用できます。
この記事では、KPIの目的と活用法、おすすめKPI管理ツールをご紹介します。
では早速、KPI管理について理解を深めましょう。
KPIとは何か?
KPIとはプロセス目標
KPIは「Key Performance Indicator」の頭文字を取ったもので、日本語では「重要業績評価指標」と呼ばれます。
…と言ってもなかなか難しいですよね。
では、誰でもわかるように解説しますね。KPIは、最終目標ではなくプロセス目標です。
例えば、学生の時に「テストの点数をあと10点上げたい」と誰しも思ったでしょう。これも単純ではありますがKGI(最終目標)です。漠然とテストの点数を上げたいと思っていては、いつまでも目標の達成はできません。
「毎日5ページずつ問題集をやろう」「小テストで満点を取ろう」など、具体的な目標やプロセスが必要です。つまり、中間目標であるKPIの達成が重要なのです。
ビジネスでいうKPIとは、成功の鍵を「数値」で表したもの
例えば、「売上を倍にしたい」という目標に対して、その目標を実現するためには
- 営業商談数のアップが必要
- 商品単価を上げなければいけない
等、必要な項目が上がってきます。
「Key Performance=事業が成功する鍵(達成したいゴール)を「Indicator = 数値で表したもの」
と考えると理解しやすくなると思います。
合わせて覚えておくべきKGI,CSF
KGI、CSFという概念も理解しておきましょう。
・KGI (Key Goal Indicator)
組織として最終的に達成したい数値目標です。例として「期末までに利益◯円達成」「売上目標◯円達成」が挙げられます。
・CSF (Critical Success Factor)
重要成功要因。KGIを達成するために必要なプロセス(要素)です。
例えば売上げアップがKGIの場合、売上を構成するプロセスとして「提案数」×「販売金額」×「受注率」のように分解ができます。この中で、KGIを達成するために最も重要なプロセスを一つに絞り、CSFに設定します。
※KSF(Key Success Factor)と称することもあります。
CSFをどの程度実施すればKGIを達成できるのかを数値表として設定したものがKPIです。
※出典:「最高の結果を出すKPIマネジメント」をもとに作成
KPIの具体例
KPIの例:売上目標1,000万円の場合
「期末までに売上目標1,000万円を達成する」というKGIを想定して、KPIを設定してみます。
- 売上を「提案数×平均販売単価×受注率」と分解します。
うち一つをCSF(事業成功の鍵)として設定します。「自組織の努力で向上が見込める要素」を探してみます。 - A社では「2つ以上のサービスを提案すると、一つのサービスを提案するより受注率が10%から20%に向上する」というデータが見つかりました。これはCSFとして設定できそうです。
- 上記のデータをもとに「(複数サービスを提案することで)受注率を上げる」ことをCSF(事業成功の鍵)として設定しました。
- KPIを設定します。KGIを達成するために、CSFを何回実施すればよいかを計算します。
- A社の平均販売単価は20万円。
この場合、売上目標1,000万円 ÷ 平均単価20万円 ÷ 受注率20% =
「250の顧客に複数サービスを提案すること」がKPIになります。
KPIを設定するメリット
「何をどれだけ行えばよいか」が分かるようになる
KPIを設定するメリットを3つ紹介します。
- 目標に向けた具体的なアクションが明確になる
KPIを設定することで「いつまでに・何を・どれだけ」行えばよいか分かるようになります。生産性が上がり、個人の達成感も向上します。 - 組織の現在の状況が分かるようになる
KGI、KPIを関係者感で共有すると、「自分のチームはどこに向かおうとしていて、順調に進んでいるのか、それとももっと頑張らないといけないのか」分かるようになります。 - 継続的な改善の材料になる
設定したKPIがうまくいった、もしくはうまくいかなかった原因を明確にすることで、次のアクションに活かせる材料になります。
組織全体の継続的な改善に繋がります。
KPIの設定方法
具体的なKPIの立て方をご説明します。
前述の「KPIの例」を踏まえて読んでいただくと、理解しやすいでしょう。
1.KGIの確認
はじめに「自分の組織(チーム)はどこを目指しているのか?」という”目的地”を関係者間で明確にします。
- 企業であれば「今年度末までに利益◯円達成」
- 営業チームならば「期末までに売上◯円達成」
などが該当するでしょう。
2.現状とKGIとのギャップを確認
目的が明確になったら、次は現状とのギャップを確認します。現状のまま進むと、KGIとどれほどギャップがあるのか予測しましょう。
このギャップを埋めるための具体的な方法がCSF、数値目標がKPIです。
3.プロセスの確認・モデル化
例として、現状のまま進むと売上目標(KGI)を達成できない場合を考えてみます。売上を向上させる方法を考えるために、売上が構成される要素(プロセス)を確認します。
・売上が構成される要素は一般的には「販売数量×平均販売単価」で表現できます。「販売数量」をより細かくすると「提案数×受注率(CVR)」と表現ができます。
・売上は「提案数」×「受注率」×「平均単価」の要素で構成されることがわかりました。これがモデル化です。売上を向上させるために、これらを向上させる対策を検討する必要があります。
4.CSFの設定
「ステップ3」の例で、KGI達成には提案数、受注率、平均販売単価のいずれかを上げる対策を検討する必要があることがわかりました。
この中から一番重要だと思われる要素をCSF(事業成功の鍵)と設定します。
・CSFの考え方には様々あります。KPIを設定する上で一番難所といえるでしょう。
・簡単な目安として、「自分の組織の行動で向上しやすい要素はどれか?」という観点で検討すると理解しやすいです。
・前述の「KPIの例」のように「複数のサービスを合わせて提案すると、1サービスのみ提案した場合と比べて受注率が上がる」というデータが見つかった場合、「複数のサービスを合わせて提案する」ことがCSFになります。
5.KPIの設定
設定したCSFを数値目標にすることでKPIを設定します。
CSFを設定することができれば、KGIを達成するためにどの程度CSFを実施すれば良いか計算することでKPIの設定が完了します。
おすすめKPI管理ツール
時間や手間がかかりがちなKPIの数値管理。それを改善するために役立つのが、KPI管理ツールです。
gamba!(ガンバ)
「日報×目標管理」のガンバ
gamba!は日報と目標管理で振り返りを習慣化するアプリです。
日報に数値報告が加わることで、各メンバーの進捗や動きがよくわかります。
また、売上や契約数など、目標達成状況をグラフで可視化します。
出典:gamba!のHP
Goalous(ゴーラス)
目標・業務をオープンに
Goalousの特徴は、目標を作成したら、その目標に紐づく指標を作成します。
業務の共有と同時に指標を進捗させていくのがGoalousの特徴です。
出典:GoalousのHP
MIERU(ミエル)
3つの指標を見える化
MIERUの特徴は、ページを開いたらすぐにKPIが見えるという点。
項目と進行状況の数値が収まるシンプルなデザインで、誰もが一目で現状が確認できます。
出典:MIERUのHP
KPIは目標達成に必要なプロセス
KPI管理は、組織の目標を達成するために欠かせない手法です。また、KPIを適切に管理するには、定量化ができる施策に落とし込み、メンバー全員で共有することが大切です。
この記事が、あなたの組織が前に進むヒントになれば幸いです。