エンパワーメントとは?|ビジネスの活用事例|看護・福祉の意味

最終更新日:2023年3月31日

エンパワーメントについてご存知でしょうか?
職場におけるエンゲージメントを高めることは従業員のパフォーマンス向上において多数のメリットがあります。

この記事では、主にビジネス面でのエンパワーメントのメリット、デメリットについて説明します。また、従業員のパフォーマンスを最大化するために何ができるのか、実際の弊社の事例を交えながら紹介いたします。

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ビジネスにおけるエンパワーメントの意味

エンパワーメントとは、従業員やチームの持つ力を引き出し多くの自律性と意思決定権を与えるという意味です。

これを分かりやすく言うと、自分の役割をコントロールし、問題解決や改善のために率先して行動することです。コントロールすることにより、従業員は自分の仕事に対して「自律性」「統制性」「所有権」を感じ、より良いパフォーマンスを発揮しようとする意欲を持つことができます。

エンパワーメントには、上司の許可を得ることなく、自分自身で意思決定し、自発的に行動する機会を与えることも含まれます。目標や手順、期限を自分で決めたり、仕事に対するフィードバックや評価を与えるなど、役割の中でより自律性を高めることも同様です。

また、似たような言葉で「エンゲージメント」という言葉があります。違いとして、「エンパワーメント」は従業員が主体的に行動できるように力を促すものであり「エンゲージメント」は従業員の企業に対する愛着心を高めるアプローチをするものです。

ビジネス以外でのエンパワーメントの意味とは?

エンパワーメントは、福祉の分野でも注目をされております。

注目されたきっかけは、国の施策としてサービス提供者主体から利用者主体の介護へパラダイムシフトをしたことが要因とされています。

福祉における「エンパワーメント」とは、年配の方や社会的に不利な立場にいる人に対してサービス利用者が自分の長所や気づき、自信を持てるようにして取り組めることを目指すことです。

福祉でのエンパワーメントの利用方法に関して

福祉で、エンパワーメントを利用するためには以下のような手法がございます。

  1. コミュニケーション:支援する人々との信頼関係を構築し、支援者側が意見や考えを尊重する。
  2. 情報提供:支援する人々に適切な情報を提供し、彼らが自分自身の決定を下せるよう支援する。
  3. 選択肢の提供:支援する人々に選択肢を提供し、彼らが自分自身の決定を下せるよう支援する。
  4. 責任の持てる環境の構築:支援する人々に責任を負わせ、彼らが自分自身の行動や決定に対して責任を持てる環境を構築する。
  5. 独立性の支援:支援する人々が独立して生活することを支援する。

上記を用いることによって、福祉でエンパワーメントの向上を促すことができます。

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エンパワーメントが生まれた背景とは?

エンパワーメントが生まれた背景として、2つの潮流があると言われてます。

  • 社会運動などの影響
  • ソーシャルワーク

以下の文章では、古寺久仁子著の「精神保健福祉分野のエンパワーメント・アプローチに関する考察」を引用しながら解説をします。

社会運動などの影響

元々は、1945年頃に起こったアメリカの黒人解放運動で社会的な差別や抑圧によってパワーを奪われた黒人たちが自らのパワーを取り戻すために「エンパワーメント」という言葉を運動理念として持ち入れられたと言われてます。

その他にも、以下の様に広くエンパワーメントは利用されていました。

60 年代以降のフェミニズムや同性愛者解放運動,市民運動(消費者運動)の隆盛,自立生活運動に象徴されるセルフヘルプ運動,貧困との闘いなどにも大きな影響を与え,これらの反差別・反抑圧運動のキーコンセプトとしても「エンパワーメント」は広く用いられた。

国立情報学研究所 – 精神保健福祉分野のエンパワーメント・アプローチに 関する考察

ソーシャルワーク

日本ではあまり、聞き覚えがない「ソーシャルワーク」とは下記のように定義されております。
「社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。」(社会福祉専門職団体協議会(社専協)国際委員会

歴史的には、1930年代に始まり1960年頃にエンパワーメントが影響された文献が出ています。1980年代までは、黒人に対するアプローチが多かったですがそれ以降は幅広く社会的に抑圧された方にもエンパワーメントが用いられる様になりました。

エンパワーメントの2つのアプローチ方法とは?

エンパワーメントには、2つのアプローチ方法があります。

構造的アプローチ

一つが、経営者が従業員、管理職から現場に仕事の権限を付与・権限の委託を行う「構造的アプローチ」です。構造的アプローチを用いることにより、従業員は本来持っている力を発揮することができる様になります。

心理的アプローチ

もう一つは、従業員の中にある自己効力感(目標を達成するための能力を自らが持っていると認識すること)を高めることにより能力発揮に繋がるとされる「心理的アプローチ」があります。構造的アプローチと違い、力があるものからの権限の委託などは行わずに人間の自分自身にあるものと考えるアプローチ方法となります。

エンパワーメントのメリット

エンパワーメントを組織で活用することには、数多くの利点があります。エンパワーメントは、従業員のエンゲージメントとモチベーションを高め、生産性と創造性を向上させることが証明されています。また、ポジティブな環境を整え、マネージャーと従業員の関係を良好にし、従業員の離職率を下げる効果もあります。

エンパワーメントによって、従業員は自分の仕事に主体的に取り組むようになり、自発的に行動し、スキルを向上させることができるようになります。その結果、より多くのイノベーションが生まれ、全体的な業績も向上します。

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エンパワーメントのデメリット

エンパワーメントにはデメリットもあります。例えば、仕事の役割が変わり想定外の問題が発生し、従業員のストレスが高まる可能性があります。さらに、主導権を握って意思決定を行うことに抵抗感を持つ従業員もいるため、信頼関係の欠如やコミュニケーションのミスにつながる可能性もあります。

他にも従業員に権限を与えると、従業員が組織に影響を与えるような意思決定をするようになるため、潜在的な利益相反が生じる可能性があります。

エンパワーメントが注目される4つのポイント

エンパワーメントは、現代のグローバルなビジネス環境において、従業員が生産的な仕事を支援する潮流とモチベーションを向上させることが重要だと考えられている背景があり注目されています。以下で、その要因について解説します。

グローバルな組織の台頭

グローバルな組織の対等により多様な文化を持っている方と働く機会が増えたため、必然的に自立性や意思決定などが求められる状況が増えました。

グローバルな組織の代表格であるGoogleでは、意思決定などを重視するために組織図がないと言われています。

同社のアジアパシフィック・ピープルオペレーションヘッドのサラ・ロブ氏は「マネージャーは階層組織の中で管理することで評価されることはない。より若い人材に様々なチャンスを与え、イノベーションや変革を起こすようにエンパワーすることで評価される」と指摘する。

https://president.jp/articles/-/14479?page=1

ワークライフバランスが重視されているため

日本語で「仕事と生活の調和」を意味する単語で、馴染みのある単語となります。

多様な働き方や、生き方の実現などを促進する取り組みとなっており、エンパワーメントを促進する取り組みの一つとも言えるでしょう。

ITなどの技術が進歩したため

弊社の日報アプリgamba!もそうですが、ITツールが多数出てきたことも大きいでしょう。

ITアプリを利用することによって、個人の選択肢が増えてきました。テレワークなど、場所の自由などが増えて結果的に個人のエンパワーメントが促進されました。

ミレニアム世代が台頭してきたため

1980年〜1995年の間に誕生した世代はミレニアム世代と呼ばれ、デジタルテクノロジーを駆使しております。

ITを駆使したノマドワーカーなども増え、価値観として多様なものを受け入れる特徴がございます。

そのため、エンパワーメントにおける自立性などを受け入れる価値観が高いと言えるでしょう。

OODAループにおけるエンパワーメント

OODA (Observe, Orient, Decide, Act) ループとは、戦争やビジネスなどで使用される戦術の一種で、相手の情報を観察し、自分自身の状況を把握し、判断をし、行動するという一連のサイクルを指します。空軍軍人で戦略家のJohn Boydによって命名がされました。

以下の4つのステップに成り立っております。

  • Observe(観察): 現在の状況や相手の行動などの情報を収集すること。
  • Orient(把握): 収集した情報を解釈し、自分自身の状況を把握すること。
  • Decide(判断): 収集した情報と自分自身の状況を基に、最善の戦略や行動を決定するこ
  • Act(行動): 決定した戦略や行動を実行すること。

上記のステップは、従業員の自立性などを高めエンパワーメントを向上させる一つとなっております。
OODAループについて詳しく知りたい方は、下記記事を参照下さいませ。

エンパワーメント導入のためのステップ

エンパワーメントを職場で効果的に行うには、いくつかのステップを踏む必要があります。

①サポートができる環境の構築をする

初めに、従業員にトレーニングやマニュアルなどの適切なサポートができる環境を作ります。ポイントとして、マニュアル作成は電子化して残すのをおすすめします。適宜変更ができ、紛失の心配もなくなります。

実は社内のマニュアル共有にも利用できる「日報共有アプリgamba!」

②明確な目標を伝えてフィードバックをする

次に、従業員に明確な目標、仕事に対するフィードバックを与えましょう。結果、従業員は目標や期待を理解し、パフォーマンスを発揮してモチベーションを高めることができます。

参考記事:日報フィードバック術!部下のやる気を引き出す褒め方・成長させる叱り方

③柔軟に変更をする

最後に、従業員の提案や意見に耳を傾け、柔軟に対応することも重要です。柔軟に対応することにより、エンパワーメントを促す協力的な環境を作ることができます。

他にも、エンパワーメントは往々にして短期的には起こらないものです。そのため、エンパワーメントをするには長期的目線で考える必要があります。時間的猶予を持って、取り組むことをおすすめします。

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エンパワーメントの有名な事例3選

エンパワーメントの取り組みを実施し、大きな成功を収めている組織が数多くあります。

株式会社星野リゾート

総合リゾート運営会社である、星野リゾートは 1914年に軽井沢に創業した老舗の日本企業です。

今でこそ、世界的な有名ホテルになったが1990年ごろは人材難など多数の課題がありました。

そこで、同社の社長である星野佳路氏はケン・ブランチャード (著)の『Empowerment Takes More Than A Minute』でエンパワーメントとの考えを導入して数々の課題を解決しました。

有名なものだと、「フラットな組織文化」です。

フラットな組織文化とは、ビジョン達成のために社員各自が建設的な発言と議論を行なう自由であり、経営判断を尊重し団結して全力で行動するチームである。

https://www.hoshinoresorts.com/recruit/culture/

この取り組みは、「自立性」「統制性」「所有権」を高めエンパワーメントの考え方そのものになります。その他にも同社は、「Matureな組織」「立候補プレゼン大会」「本社は存在しない」などの考え方を浸透させています。

Intuit.inc

ソフトウェア会社のIntuit(IT、本社:カリフォルニア州マウンテンビュー、全世界の従業員数:7905人)は、開発者向けのエンパワーメントプログラムを導入しました。このプログラムでは、開発者が自分で意思決定できるように自律性を持たせるとともに、トレーニングやリソースを利用できるようにしなりました。結果、Intuitでは生産性が向上し、従業員のエンゲージメントと満足度も向上しました。

「Intuitは常にコミュニティに恩返しをしている。地元組織への貢献のため一人32時間の有給が与えられ、月に数時間フードバンクで働いたり、週に1時間子供の学校(のPTA活動) に参加したり、支援する募金活動内でボランティアに使える。同社は501c3の対象であれば寄付金を拠出し、従業員はコミュニティに貢献することでエンパワーされていると感じ、Intuitからのサポートを実感している。」

アメリカのリテンション・マネジメント https://www.jstage.jst.go.jp/article/jalm/29/0/29_53/_pdf/-char/ja

マクドナルド株式会社

マクドナルドはレストランのマネージャーを対象にエンパワーメントプログラムを導入しました。このプログラムでは、マネージャーたちに自分で意思決定する自由を与えるとともに、リソースやサポートを提供し。結果、マクドナルドは顧客満足度の向上だけでなく、従業員のモチベーションや定着率の向上も経験しました。

弊社におけるエンパワーメント向上の事例3選

ここからは、弊社が提供している日報アプリgamba!を利用してエンパワーメントを向上した事例について紹介します。

株式会社ブラーボデザイン

スポーツ施設施工を中心とした建設業、及びフットサルコート運営を行う株式会社ブラーボデザイン

gamba!導入前は、情報のやり取りが少なくチーム全体に不信感があったと仰っておりました。理由は、支店間の連携が取れておらずチーム全体のコミュニケーションの総量が少なかったからです。

gamba!導入後は、日報を通して情報を共有することによりチームの不信感が消えコミュニケーションが円滑になりました。また、数値にも表れておりgamba!導入後のエンゲージメントサーベイ(組織の状態を把握するための調査)が3年前の結果と比較すると「仕事をしたと認められた(と感じる)」という項目が向上しました。

結果的に、gamba!導入後にはコロナ禍にも関わらず過去最高の業績を上げることができました。

株式会社サンレディース

短期派遣に特化し、人材派遣・業務請負のエキスパートとして、繁忙期の人材確保に貢献している株式会社サンレディース

gamba!導入前は、新卒離職率に悩んでおり社内のエンゲージメント低下が課題でした。原因は、社内の効率性の低さです。

gamba!導入後は、社内コミュニケーションも増えて新卒離職率が大幅に改善されました。理由は、gamba!内で他の拠点間とのコミュニケーションが増えたのが大きいと思います。

例えば、同期のA君が飛び込み営業を始めているという日報を読んだBさんが「私もやりたいです!」と言ったり、「C君はもうあんなことまで出来ているのに、自分はまだできてない!」と悔しがるなど、新卒同士で切磋琢磨しながら、いい関係作りにも役立っています。

https://www.getgamba.com/case/archives/25105/

リノベる株式会社

総合的なリノベーションサービスを展開しているリノべる株式会社は、リノベーションのための物件探しから設計・施工、専用ローンまでをすべてワンストップで提供しています。

gamba!導入前は、日報をただ書かせてメーリングリストで一括送信をしているためモチベーションを低下しておりました。

gamba!導入後は、自分の日報や他人の日報を見るようになり同社の行動指針であるセルフマネジメントをしやすくなり目標などを意識するようになりました。

まとめ

結論として、エンパワーメントは職場における従業員のパフォーマンスとエンゲージメントを向上させる方法となります。生産性、創造性、仕事への満足度が向上し、管理職と従業員の関係も良くなるといった利点があります。しかし、潜在的な対立や予期せぬ問題など、デメリットも認識しておくことが重要です。

エンパワーメントの取り組みを成功させるためには、サポートをすぐに出来る環境を提供し、従業員の提案や意見に柔軟に耳を傾けることが重要です。

エンパワーメントを向上させるおすすめのツール

ここまで、エンパワーメントについて解説をさせていただきましたが一過性の取り組みをするだけでは社員の自律的な行動を促すことは難しいでしょう。弊社の事例として出させていただいた、「株式会社ブラーボデザイン」様の事例でもgamba!を入れるだけではなくgamba!導入時に社内の現状を繰り返し伝えて、gamba!を使う意義を何度も伝えたと仰っておりました。

このように、一過性の取り組みではなく習慣的に社員の行動の変革に使えるのが日報です。
日報を利用することによって、毎日習慣的に日報を記入してコミュニケーション効果を高め一人一人の発信する場を提供することが可能です。

弊社も日報アプリを提供しており、継続率は「97%」品質で登録実績は「15,000社」以上!
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